2017年02月02日

2016年 第4回定例会報告書

日程:2016年11月26日(土)10:30~13:00(10:15 受付開始)
場所:ハナ多文化センター タリン(多隣)

内容:

10:30~11:25 役員卒業の挨拶(及川ひろ絵先生)

 2014年から韓国OPI研究会の役員として活動してきた及川先生が、今年いっぱいで役員を卒業することになり、ご挨拶をいただいた。
2016年8月に開催されたワークショップでは、会計スタッフとしてご尽力くださり、ありがとうございました。2年間お疲れ様でした。


10:50~11:50 発表「再考:学習者の発話を引き出す対話型アセスメントの魅力」(川口慶子先生)

 今回のご発表では、まず、ご自身の研究で使用なさっているOBC(Oral Proficiency Assessment for Bilingual Children)をご紹介いただいた。OBCは、幼児用のOPIで、カードを使用した1対1のインタビューである。OPIと違い、質問内容や構成が決まっているのが特徴で、①導入会話、②語彙チェック、③基礎タスク、④対話タスク、⑤認知タスクという5段階で構成されているという。
 また、OBC及びOPIを通して、学習者の効果的な発話抽出の方法を再考した結果、『聞く力』と『聴く力』が重要であるという気づきを得たという。具体的に『聞く力』とは、(1)「質問の型」を意識する、(2)「レベル」を意識した質問をする、(3)「会話を紡ぐ」ような質問をする、といった「質問力」を身につけることだという。また、『聴く力』として、(1)相手の話に関心を示す、(2)インタビュアーがしゃべりすぎない、(3)わからない振りをする、(4)「沈黙」の意味を考える、という4点を挙げ、学習者の話をじっくり聴く姿勢が重要であることが確認された。
 そして、OBCやOPIといった対話型アセスメントは、学習者が満足感やいい意味での挫折感を味わう経験となり、学習のモチベーション向上へと繋がる絶好の機会だということが再確認された。


12:05~12:55 テープ判定と討論

テープ提供:後藤歩さん(13期生)
司会:迫田亜希子先生

 現在テスター取得中の13期生・後藤歩さんが提供してくださったテープを一本聞き、レベル判定とその根拠、インタビュアーの質問の仕方や構成についてのアドバイス等について各グループで話し合った。
 その結果、すべてのグループで「中-中」ではないかという判定結果であった。その根拠として、文レベルでは話せているが、段落の発話が少ししか見られなかったという点、身近な話題についての発話に終始している点などが挙げられた。インタビュアーへのアドバイスとして、「上級質問を明確に提示した方がいい」、「身近な話題だけでなく、社会的、抽象的な話題も入れるべき」といった意見が挙げられた。インタビュアーご自身の判定は、「中-上」ということだったので、判定結果に多少ずれが生じてしまったが、これは、上述のように、上級タスクが不十分で、上限を見極めるのに材料不足だったためだと考えられる。


12:55~13:10 OPI研究会 助成金制度の説明(小島堅嗣先生)

 来年度から助成金制度が開始することとなり、今回は「研究プロジェクト助成規約」の紹介が行われた。2/20頃までに研究助成申請の受付及び審査、2月末に審査完了、助成研究決定、3月初旬に研究助成費の支給を予定している。

<文責:永田沙織>


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Posted by J-OPI-K at 21:21│Comments(0)定例会
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