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2023年07月05日

2023年度第2回定例会 報告書

第2回定例会の内容について以下に報告いたします。

日程  :2023年7月1日(土)14:00~17:25(13:45受付開始)
実施方法:ZOOM
参加者:15名(うち台湾OPI研究会から6名)
内容:
14:00〜14:30 
      
会長ご挨拶、台湾OPI研究会様ご紹介【小島】
2)韓国OPI研究会の活動について【小島】
・国際交流基金のデータによると、2021年は3年前(2018年)よりも高等教育における
 日本語学習者の比率が高まっている。→大学において本格的に日本語を学び、日本での
 就職につなげたい学習者が増加していると推測される。
・2022年度ワークショップを受けたメンバーが資格取得を目指し、OPIインタビューを
 収録している段階。

   
14:30〜15:05 opi音声(安田先生ご提供)を聞いて、以下の3点について考える。
         〈1〉レベル判定、〈2〉判定理由、〈3〉外来語の語彙が多く出現している
         ことについての分析

【インタビューの内容】
大学1年生→今住んでいるところ→入りたいサークル→日本のアイドルについ
て→学生寮の生活→コロナのときの授業→コロナ後に変わったこと→ロールプ
レイ(空港で荷物が出ないので、職員に問い合わせる)


15:05〜15:15 (休憩)

15:15〜15:45 ◆3つのグループに分かれてレベル判定と話し合い

15:45〜16:00 ◆各グループ発表
  話し合った結果、それぞれのグループで初級上、中級下、中級中という3つ
          の判定に分かれた。主な判定理由は以下の通り。

         初級上
         ・文のレベルの発話が見られたが、維持はしていない。
         ・単語がわからなかったり、文のしめくくりができていない部分があった

         中級下
         ・文の質がよくない(文法活用、テンスアスペクト)

         中級中
         ・文のレベルで話している。そして上級のタスクは一部できていた。
         ・比較等、上級の突き上げができていなかった。被験者にとって難しい
          内容であった。

なお、インタビューを聞いて気づいた部分、および外来語語彙について以下の
点が指摘された。
・話題が学校のことに偏っていた。
・テスターが単語を教えたり、内容をまとめたりしていた。
・ロールプレイが上級のものを使用していた理由、何がねらいだったかという
 部分が知りたい。タスクも上級のものが多かったが、中級のタスクをしっか
 りすべき。
・外来語使用は「代替ストラテジー」と思われる←チョイス、ステア等


研究会としての判定結果(有資格者2名で判定)は「初級上」となった。理由は
以下の通り。

・単語レベルで十分に答えられていた一方、文レベルは維持していなかった
 →被験者自ら「すみません!」と挫折している箇所が複数見られた。
・中級の質問をもっと多くして、中級がどのくらいできるか見極められると
 よかった。
・ロールプレイも中級のものを実施するのがよい。
・マニュアルp.61における「初級-上」の記述の「主に現在形の短い文、時には
 不完全な複数の文で構成される」、「発話は躊躇が見られ、間違いを含んで
 いることもある」、「理解可能な文で答えられることもあるが、文レベルの
 発話を維持することはできない」という特徴にもっともよく当てはまっている。

16:00〜17:00 台湾opi研究会様 ご発表
        (1)台湾における日本語教育について【澤田先生、GU先生、陳先生、許先生】
         ・国際交流基金のデータによると、台湾の日本語学習者の規模は韓国の1/3
          程度である。日本関連の科目があるのは139機関、大学では日本学科が48校
          に設置されている。(国立等の大学は「日本学科」という名称が多いが、比較
          的新しい私立大学でビジネス・観光等に力を入れている大学では「応用日本語
          学科」となっているところが多い)。
         ・台湾教育部が2019年に小中高12年の新しい学習要領を策定した。
         ・第二外国語は学校の裁量に任せられてる(放課後のクラブ活動など)一番人気な
          のは日本語で、二番目が韓国語である。
         ・公立中学の選択授業で日本語授業がある(学生に人気がある)。
         ・台湾での日本語学習の動機は1.卒業要件(大学:N1、商業高校:n5等)、2.日
          本への旅行で役立てたいという理由が多い。
         ・「社区大学」という地域の学校が1999年に設立され、日本語に関する様々な
          コースを開設している(日本の歌、『みんなの日本語』を使った授業)。
         ・台湾の大学生が日本就職の準備として、インターンシップ等に参加することが
          ある(以前から行われている)。国としても日本に送り出す機会や交流の機会を
          作っている。

        (2)台湾OPI研究会の活動について【GU先生】
         ・現在のメンバーは10名ほど
         ・2015年のOPI函館国際大会のときに設立された(次回の国際大会が
          台湾に決定したことがきっかけとなった)
         ・2017年1月、嶋田先生によるプレイベントを開催(淡江大学)
         ・2017年8月、opi台湾国際大会を開催(淡江大学)→その後、活動は下火
          になる
         ・2019年9月、研究会の活動が再開される←テスター更新の先生が再度
                              集まったのがきっかけ
         ・コロナの時期に活動が停滞していたが、現在は徐々に復活しており、
          2020年からは勉強会を行っている(関連の本を読む、音声を聞いてレベル
          判定等)

17:00〜17:30 懇親会(情報交換会、希望者のみ)
         様々な意見が出たが、主要な事柄は以下の2点。 
         ・今後とも、韓国と台湾を含めOPI研究会の協同を進めていきたいという
          考えで一致。
         ・台湾OPI研究会からは、テスター資格更新に関する最新情報を共有して
          もらえる機会を作ってほしいという要望が出た。       

 
今回の定例会は台湾OPI研究会の先生方も招待する形で開かれました。これは以前に別の学会で韓国にいらっしゃっていた、国立台中科技大学の羅暁勤先生との交流の中で実現したものでした。今回は様々な方が意見を出し合い、活発な情報交換ができました。台湾・韓国のメンバーがお互いにとってとても有意義な会になったと確信しています。また韓国在住の私たちにとって台湾の日本語教育の情報に接することはとても少ないので、澤田先生、Gu先生、陳先生、許先生のお話もお聞きできて、さらに多くの時間を割いて質問にお答えいただけたことはとても貴重な機会となりました。今後も台湾OPI研究会様との交流をさらに様々な形で広げていきたいと考えています。これからもいろいろなアイデアをもとに定例会やその他の企画をしていきたいと思いますので、皆様がお持ちのアイデアがありましたらぜひお寄せください。 

(文責:小島/韓国OPI研究会会長)
  


Posted by J-OPI-K at 10:09Comments(0)
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