2011年10月24日
韓国OPI研究会 2011年度第3回定例会報告
日時:2011年10月8日(土)10:30~12:40(受付 10:15~)
場所:時事日本語学院 Testmate 403号室
参加者:(会員)合計12名
【定例会内容】
1.10:30~11:20 OPI判定と討論①
(テープ提供 海野青美先生 10期生(建国大学校大学院)
(討論司会:木田佳与子先生)
海野青美先生がテスター取得のために提出した練習ラウンドのテープ。判定が「超級」で確定しているもの(牧野成一先生承認済)。全員で判定を行い、「超級」、「上―上」、「上―中」レベルで意見が分かれた。流暢に話しており、複段落でまとまりのある発話をしているものの、発話内容の論理性や抽象性の点、RPでの敬語の出来具合で、上位レベルが分かれた。上級の下位レベルでは、超級タスクの抽出度合いで判定が分かれた。討論では、超級タスクのトリプルパンチの不足、上級タスクのナラティブの抽出不足などの問題点が挙げられ、上級タスクの一つであるナラティブを抽出しなければならないのか、という点で話し合われた。また、RPで「著名人への講演依頼」であったが、その際、相手へ了承を得ずにスケジュール確認を依頼していた点が失礼ではないか、という意見があったが、超級のRPの目的は敬語を抽出するためであり、その部分よりも敬語を優先し、判定するという意見でまとまった。最後に、今回の被験者レベルへのアドバイスについて話し合われた。当日、海野青美先生はご欠席だったので、残念だったが、超級タスクのトリプルパンチの難しさを改めて確認することが出来たテープだった。
2.11:30~12:20 OPI判定と討論②
(テープ提供 石井奈保美先生 10期生(同徳女子大学校))
(討論司会:迫田亜希子先生)
石井奈保美先生がテスター取得のために提出した認定ラウンドのテープ。判定が「中―上」で確定しているもの(牧野誠一先生承認済)。全員で判定を行い、積極的な発話だったが、個人的な体験についての話が多く、文の正確性から上位レベルでは「中級」という意見でまとまった。下位レベルでは、「中―中」の意見が多かったものの、「中―上」、「中―下」にも分かれた。討論では、客観的な質問が不足だったのではないか、日本への旅行についての話題が十八番だったのではないか、という意見が出た。また、上級タスクの達成度合い、上級の判定条件である段落の安定性の程度について話し合われた。下位レベルを判定する際、上級レベルの条件をどの程度、達成しているのか、を判断することの難しさを確認することが出来たテープだった。
3.12:20~12:40 臨時総会:韓国OPI研究会新スタッフ改選について
(司会:早矢仕智子先生)
臨時総会が開かれ、新会長として川口慶子先生が紹介された。また、運営委員はそのまま継続ということで、改めて紹介された。
4.その他:ACTFLRPカード(レポート)について
今年開催された国際OPIシンポジウムの予稿集についての報告があった。また、ACTFLよりテスターへ新しいRPカードが送られているようだが、韓国のテスターには送られておらず、今後、RPカードの扱いについて、現在、詳細を確認しているが、現在のところ、現行のまま行うという報告があった。
〈文責 大橋真由美〉