2015年10月30日
2015年第3回定例会報告書
2015年第3回定例会報告書
日程:2015年10月17日(土)10:30~12:45(10:15 受付開始)
場所:鍾路時事本館505号室
参加者:10名
内容:
10:30~10:45 第10回OPI国際シンポジウムのご報告
報告者:川口慶子先生
8月末に北海道函館市で開催された第10回OPI国際シンポジウムの報告についての報告があった。OPIが導入されてから25年、参加者200名余り、基調講演2回との大盛況なシンポジウムだった。シンポジウムのテーマは「多様なつながりとOPIの可能性」。川口先生は今シンポジウムの実行委員をされながら3つの”つながり”について感じたという。
一つ目は研究会間のつながりの必要性。他国のOPI研究会はどのような研究を行っているのか、抱えている問題点があるならばそれは何かなどの情報交換及び連帯が必要である。二つ目は英語教育をご専門とされている大津先生の講演-母語教育と外国語教育の”つながり”としての日本語教育のあり方から。英語といっても話し手の母語によって様々な英語があるように、日本語にもそのような視点が必要である。“グローバル・ジャパニーズ”として今後、何を目標とした日本語教育を目指すのか、日本語の多様性を見据える時期に来ているのではないか。三つ目はトレーナー間のつながり。新しいOPI判定とこれまでのOPI判定のやり方でトレーナー間での一致がなされた。(詳しくは嶋田先生のアクラスのHPをご参照。http://www.acras.jp/)
これら3つのつながりがさらに密接になっていけば、OPI研究及び実践のさらなる可能性が広がっていくことと思われる。
10:45~11:45 テープ判定と討論
テープ提供:井口恵菜先生(12期生) 司会:迫田亜希子先生
今回テスターを取得された井口恵菜先生の認定ラウンドのテープ。①レベル判定とその根拠、②インタビュアーの質問の仕方や構成についてのアドバイスの2点について各グループで話し合いが行われた。結果、各グループでサブレベルの判定に差が出た。一つ目のグループでは「上-上」という判定。二つ目のグループでは「上-中」から「上の下」と意見が分かれた。話し合いでは主にテスターの聞き方についてアドバイスや意見が出た。テスターの聞き方としてはやはりトリプル・パンチに難しさがある。プレリュードは大変素晴らしかったが、反論の聞き方-「反論するとしたら」という聞き方ではなく、「AとB、どちらの意見を支持しますか」という聞き方が適切である、将来の展望に関する聞き方が曖昧ではないか、テスターの説明が長すぎではないか、などの意見が出た。以上のことから被験者がどのように答えていいのか、全体的に答えにくい問いとなってしまい、被験者の発話レベルが自己レベルに落ちてしまっているのではないか、という指摘があった。
また、ロールプレイに関しても順番がフォーマル→インフォーマルの方が被験者は答えやすい流れであろうという意見が出た。この点に関し参加者間で、上級―上及び超級のロールプレイを行う際は、フォーマル→インフォーマルで最後は全体的にトーンを落ち着かせ被験者に気持ち良くテストを終了してもらうという流れで行う、という再確認が行われた。
OPIの実践を怠っていると少しずつやり方にもズレが生じたり自己流になってしまう点があるが、こうして研究会に参加することでそのズレを埋め、やり方を再確認する有意義な機会となった。
12:00~12:30 研究助成金に関する説明と相談
OPIに関連した研究活動を行う際、プロジェクトを促進させるための一つの手立てとして研究会の会費から助成金を搬出することに関し話し合いが持たれた。但し、この助成金はメンバーを韓国OPI研究会の会員で構成する際、支援されるものである。具体的には以下4点について話し合いが持たれた。1.プロジェクトの開始の方法-申請方法、メンバー確定方法。2.プロジェクトの義務-学会発表、研究期間2年以内、報告書の提出。3.具体的な助成金の金額など。日本の日本OPI研究会でもすでに助成金による研究バックアップはなされているが、それにならい、今後の新たな取り組みとして韓国におけるOPI研究の活性化の場として期待される。
12:30~12:45 新役員の認定と紹介
4年間の会長、役員の期間も合わせると8年間OPI研究会のために尽力して下さった川口慶子先生に代わり、通例によって事前に前会長から指名されていた木田佳与子先生は新会長に就任されることとなった。また、役員スタッフには迫田亜希子先、小島堅嗣先生、永田沙織先生、及川ひろ絵が紹介された。新規役員スタッフの改選について参加者全員から承認を得た。
<文責:及川 ひろ絵>
日程:2015年10月17日(土)10:30~12:45(10:15 受付開始)
場所:鍾路時事本館505号室
参加者:10名
内容:
10:30~10:45 第10回OPI国際シンポジウムのご報告
報告者:川口慶子先生
8月末に北海道函館市で開催された第10回OPI国際シンポジウムの報告についての報告があった。OPIが導入されてから25年、参加者200名余り、基調講演2回との大盛況なシンポジウムだった。シンポジウムのテーマは「多様なつながりとOPIの可能性」。川口先生は今シンポジウムの実行委員をされながら3つの”つながり”について感じたという。
一つ目は研究会間のつながりの必要性。他国のOPI研究会はどのような研究を行っているのか、抱えている問題点があるならばそれは何かなどの情報交換及び連帯が必要である。二つ目は英語教育をご専門とされている大津先生の講演-母語教育と外国語教育の”つながり”としての日本語教育のあり方から。英語といっても話し手の母語によって様々な英語があるように、日本語にもそのような視点が必要である。“グローバル・ジャパニーズ”として今後、何を目標とした日本語教育を目指すのか、日本語の多様性を見据える時期に来ているのではないか。三つ目はトレーナー間のつながり。新しいOPI判定とこれまでのOPI判定のやり方でトレーナー間での一致がなされた。(詳しくは嶋田先生のアクラスのHPをご参照。http://www.acras.jp/)
これら3つのつながりがさらに密接になっていけば、OPI研究及び実践のさらなる可能性が広がっていくことと思われる。
10:45~11:45 テープ判定と討論
テープ提供:井口恵菜先生(12期生) 司会:迫田亜希子先生
今回テスターを取得された井口恵菜先生の認定ラウンドのテープ。①レベル判定とその根拠、②インタビュアーの質問の仕方や構成についてのアドバイスの2点について各グループで話し合いが行われた。結果、各グループでサブレベルの判定に差が出た。一つ目のグループでは「上-上」という判定。二つ目のグループでは「上-中」から「上の下」と意見が分かれた。話し合いでは主にテスターの聞き方についてアドバイスや意見が出た。テスターの聞き方としてはやはりトリプル・パンチに難しさがある。プレリュードは大変素晴らしかったが、反論の聞き方-「反論するとしたら」という聞き方ではなく、「AとB、どちらの意見を支持しますか」という聞き方が適切である、将来の展望に関する聞き方が曖昧ではないか、テスターの説明が長すぎではないか、などの意見が出た。以上のことから被験者がどのように答えていいのか、全体的に答えにくい問いとなってしまい、被験者の発話レベルが自己レベルに落ちてしまっているのではないか、という指摘があった。
また、ロールプレイに関しても順番がフォーマル→インフォーマルの方が被験者は答えやすい流れであろうという意見が出た。この点に関し参加者間で、上級―上及び超級のロールプレイを行う際は、フォーマル→インフォーマルで最後は全体的にトーンを落ち着かせ被験者に気持ち良くテストを終了してもらうという流れで行う、という再確認が行われた。
OPIの実践を怠っていると少しずつやり方にもズレが生じたり自己流になってしまう点があるが、こうして研究会に参加することでそのズレを埋め、やり方を再確認する有意義な機会となった。
12:00~12:30 研究助成金に関する説明と相談
OPIに関連した研究活動を行う際、プロジェクトを促進させるための一つの手立てとして研究会の会費から助成金を搬出することに関し話し合いが持たれた。但し、この助成金はメンバーを韓国OPI研究会の会員で構成する際、支援されるものである。具体的には以下4点について話し合いが持たれた。1.プロジェクトの開始の方法-申請方法、メンバー確定方法。2.プロジェクトの義務-学会発表、研究期間2年以内、報告書の提出。3.具体的な助成金の金額など。日本の日本OPI研究会でもすでに助成金による研究バックアップはなされているが、それにならい、今後の新たな取り組みとして韓国におけるOPI研究の活性化の場として期待される。
12:30~12:45 新役員の認定と紹介
4年間の会長、役員の期間も合わせると8年間OPI研究会のために尽力して下さった川口慶子先生に代わり、通例によって事前に前会長から指名されていた木田佳与子先生は新会長に就任されることとなった。また、役員スタッフには迫田亜希子先、小島堅嗣先生、永田沙織先生、及川ひろ絵が紹介された。新規役員スタッフの改選について参加者全員から承認を得た。
<文責:及川 ひろ絵>
Posted by J-OPI-K at
05:52
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