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2024年03月25日

2024年度 第1回 定例会報告

2024年韓国OPI研究会 第1回定例会報告書

第1回定例会の内容について以下に報告いたします。

日程  :2024年3月16日(土)14:15~17:30(14:10受付開始)
実施方法:対面(スタディカフェ【송파모임공간JUN】)+ZOOM
参加者:12名(対面3名+ZOOM9名)
内容:
14:15〜14:30 運営委員からの連絡事項
      
1)会長ご挨拶、年間スケジュールご案内【小島】
・定例会:第1回3月16日(土)、第2回6月予定、第3回9月予定、第4回12月予定
・在韓日本語講師会での発表:4月13日(土)15:00~にOPIの紹介とワークショップ
     をする機会をいただきました(時事日本語社鐘路キャンパスとzoomの両方で
     実施予定)。どなたでもご参加可能です。詳細は別途お知らせ致します。
・学会 :2025年3月未定(土曜)韓国日本語学会の企画発表で4名での発表と論文投稿
     要請を会長より受けました。
     →2023年に実施したプロジェクトと同様、論文査読料と論文掲載料が補助され
      る予定です。      
     →2024年6月頃(夏休み前)を目途にプロジェクトチームを作って準備を開始
     →プロジェクトの詳細は、別途ご連絡いたします。


2)会計報告、入会費・年会費について【後藤】
  ・2023年度会計報告→参加全員のご承認をいただきました。
  ・2024年度の入会費(W10,000)と年会費(w10,000)の振り込み口座ご案内
   (韓国在住の会員様は国民銀行の口座へ、それ以外の会員様は日本の銀行の口座
   へご入金願います)
    
14:30〜15:00 opiデモンストレーション(ZOOMにて)
(テスター:小島、被験者:韓国人学習者・男性・大学生)

【インタビューの流れ】
大学生→家族→趣味(野球観戦)→好きな選手の特徴→日本へ行ったこと→和牛について
→ラーメンの作り方→授業科目(歴史)について→【ロールプレイ】空港で荷物が出てこない
ので、空港職員に交渉して解決してもらえるようにする

15:00〜15:30 ◆2つのグループに分かれてレベル判定と話し合い


15:30〜16:00 ◆各グループ発表
 話し合った結果、判定は3つに分かれた。それぞれの主な判定理由は
         以下の通り。
        
         ・上級のどこか
          複雑なものに対応していた。



         ・中級-上
          -インタビューのやり方から判断して(トリプルパンチがなかったので)
          上級ではない。
-上級の質問にうまく答えていない。質問と答えがずれている。
         -上級の質問に対して中級レベルで答えている。
          -上級のロールプレイも不完全(語彙が足りない)。
         ・中級-中
          段落が出ていない。詳細の説明や発話量が不足していた。
          一方で自分から話し、文章は自分で作れた。
       

        なおインタビューの仕方で気づいた点として、以下のような意見があった。
         ・コミュニケーションを無視した口頭試験のような感じだった
         ・ロールプレイでの荷物については、カバンの特徴等の詳細についてもっ
          と聞くべきだった。


16:00〜16:40 孫朱彦先生(高麗大大学院)ご発表
 ◆タイトル:「日本と韓国医師の疾患情報の収集戦略に関する一考察
        -収集時期に焦てて-」

 ◆目的  :日本と韓国の医師が初診と再診において用いる言語戦略を知り
       両言語の使用における様々な文化的理解を深める

        
 ◆調査方法:-分析資料は医療ドラマ20本(日本:100話分、韓国96話分)
       -「医師の説話戦略類型と下位戦略」(손주언2023)を基に分析
       -「専門家型」、「援助者型」、「カウンセラー型」の3つの
        型別の分析
      
 ◆結果考察:1)初診においては、日韓で「専門家型」を多様していた点が共通していた。
        一方で日本は「援助型」、「カウンセラー型」も少なくなかったが韓国
        ではこの2つがほとんどなかった点が異なっていた。

       2)再診においては「専門家型」→「カウンセラー型」→「援助型」の順に
        出現することが共通していた。日本では援助型とカウンセラー型が多か
        ったが、韓国では援助型が乏しかった。

       3)再診においては、日本では「事実確認」の圧倒的な使用があり(治療法に
        ついての)「方向設定」は出現していなかったが韓国では「方向設定」や
        「治療経過確認」も少なくない使用があった。

       総合的に見て、日本では相対的に相互協力的な部分をアピールする戦略が
       多いと推測される。一方で韓国では身体接触などの言語以外の部分から情報
       を収集することに焦点を当てている可能性があり、両者の戦略の違いが浮き
       彫りになった。

     
16:40~17:00 質疑応答

17:00~17:30 お知らせ等
        ・張良光先生(在韓日本語講師会/会長)より 
         毎月研究発表や授業の仕方など様々なテーマで集まりをしている
         (対面+ZOOMで)。どなたでも参加OKです。
         →集まりの案内をいただいたらMLやカカオグループで共有します
          (小島)

        ・小島より
         -上記の在韓日本語講師会、4月13日(土)15:00~「OPI紹介&デモ」
          どなたでも、対面(時事日本語社/鐘路)またはZOOMでご参加可能です。
         -日本語OPI研究会(東京の研究会)メンバー主催のスタディが毎月第1日曜
          に開催されており、韓国OPI研究会会員も参加可能とのこと。
          →次回は4月7日(日)9:00~ZOOMにて。詳細はカカオグループで連絡い
           たします。

 今回はLIVEでのOPIデモンストレーションを実施しました。インタビューの仕方について何度も
確認していても、実際にやってみると不備が多く出てしまいました。日ごろから常に練習しなけれ
ばならないことを実感しました。
 研究発表は孫朱彦先生の医師と患者のコミュニケーションについて、談話分析の観点から明ら
かにしたものでした。日韓の医療現場でこれほど大きな違いがあることを知って驚きました。今後
の研究の発展も楽しみです。
 また今回は在韓日本語講師会の張先生と沼田先生に来ていただき、様々な情報やご意見をい
ただくことができたことも大きな収穫でした。今後、日本語教育についてより幅広い視点で活動して
いかなければならないことを実感しました。在韓日本語講師会の多彩なイベントについては、これか
ら広く共有していきたいと思いますので楽しみにしていてください。   
 

(文責:小島堅嗣/韓国OPI研究会会長)
  


Posted by J-OPI-K at 05:01Comments(0)
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