2022年06月26日

2022年度 第2回定例会 報告

第2回定例会の内容について以下に報告いたします。

日程  :2022年6月11日(土)14:00~18:00(13:45受付開始)
実施方法:ZOOM
参加者:14名
内容:
14:00〜14:30 
      
1)会長ご挨拶、年間スケジュールご案内【小島】
・定例会:第3回9月、第4回12月予定
・7月23日~7月26日:オンラインによるOPIワークショップ実施予定
・スタディ:金曜と土曜の午前中に隔週で実施中(ZOOMにて)

2)参加者の自己紹介
・本日の参加者全員に1人ずつ自己紹介(興味がある研究分野等を含む)して
 いただきました

3)OPIの概要説明【小島】
・4つの主要レベルの判定ポイントを紹介しました。
    
14:30〜15:00 OPIの音声データを聞いて判定
(テスター:濵畑靜香先生、被験者:ドイツ人日本語学習者・男性・会社員)
【インタビューの流れ】
現在住んでいるところ→趣味のバスケットボール→日本に来たきっかけ→
日本の生活でびっくりしたこと→最近気になっているニュース(石油の価格
下落、エネルギー問題)→原発を今後どうすればよいか→子供の習い事→
日本の教育における問題点(どのような方向が望ましいか)

15:00〜15:10 (休憩)

15:10〜16:00 ◆レベル判定とグループでの話し合い→各グループ発表
 3つのグループに分かれて話し合った結果、上級上(一部、
上級中と上級下)、超級という判定に分かれた。
各級の判定理由は以下の通り。

        上級上
         ・トリプルパンチに対する対応が弱い部分あり。教育に関しては具体論
          を述べるのにとどまっていた。
                 
        超級
         ・上級をしっかり固めた上で超級のタスクをこなしている点まで確認
          できていた。
         ・フォーマルとインフォーマルのロールプレイ(注:現在は実施しない)
          もしっかりこなせていた。
         ・語彙量が豊富であり、不正確な部分も言い直したりして、きちんと
          話せていた。

        インタビューに関するコメント
         ・トリプルパンチの仮説の質問で、世界におけるエネルギー政策の在り方
          と、そのあとに言及した途上国と先進国それぞれの政策の在り方という
          質問の流れがもっと明確であったらよかった。
         ・ドイツではエネルギー問題は一般的な話題であり、今回の被験者も苦に
          していなかった。また子供がいる被験者にとって、教育問題も身近な
          話題であったと言える。被験者にとって身近でない話題も扱ったほうが
          よい。

◆音声データ提供者(濵畑先生)のコメント
 判定:超級
 根拠:1)ウォーミングアップは中級レベルから開始。
    2)故郷についての説明、バスケットボールの説明は上級レベル。
    3)ニュースの話題から出たエネルギー問題から超級レベルへの
     質問(トリプルパンチ)につなげた。
 三浦トレーナーからのコメント:
    1)トリプルパンチでの教育関連(塾)の質問はもっと難易度を上げる
     必要がある。
    2)被験者の発言を繰り返したりまとめたりしないこと。
    3)判定は超級でOK。


16:00~16:10 休憩

16:10~17:10 研究発表(本研究会の研究プロジェクト助成に採用された発表3件)

1)孫朱彦先生
「OPIテスターのインタビュー戦略-ポライトネス観点から-」
・BROWN&LEVINSON(1984)のポライトネス理論の観点から
OPIテスターのストラテジーを分析
・OPIテスターのストラテジーを中・上級被験者に分けて分析

2)迫田亜希子先生
「日本語学習者の授受補助動詞の引用としての使用について-OPIレベル別の特徴に着目して-」
・1)日本語学習者会話データベースを用い、韓国人日本語学習者
            を対象に直接引用表現における授受表現「~テアゲル」「~テ
クダサイ」がどのように使用されるか。
           ・2)その使用傾向は、学習者のレベルにによってどのような違いが
            見られるのか。以上の2点を探った。

3)小島堅嗣
「オンライン日本語会話試験における映像あり/なしの差異を探る-OPIデータの分析から-」
・OPIにおけるZOOMの映像ありと映像なし(音声のみ)の差異について
 被験者へのインタビューから探った。
・映像あり/なしは個人(被験者)間で、得意・不得意がある。
・映像ありではジェスチャーの活用、映像なしでは緊張感の緩和、
集中力の持続等のメリットがある。
・一方で映像ありでは緊張感の持続、映像なしでは誤解による
コミュニケーションの齟齬が生じるリスクがある。


17:10~    連絡事項や情報共有
        ・韓国日本語学会より、2023年度12月発行の学会誌においてOPI論文
         特集をしたいとの打診あり。今後、準備を進めていきます【小島】
        ・メーリングリストを「らくらく連絡網」から「GOOGLE ML」に変更
         (全体、WS14期、WS15期の3つのグループを作成・登録済。GOOGLE
         MAILから投稿する場合、自身のメールには届かない点をご注意ください)
                                   【後藤】
   
18:00     終了
 
今回は、7月下旬に開催されるワークショップ(トレーナー:三浦謙一先生)に先立ち、受講者に役立つ内容をということと、現在研究会で進行している研究をご紹介するという2本立ての内容で企画しました。 最初に、前回三浦トレーナーのワークショップを受講された濵畑先生がご提供してくださった音声データを聞いて議論をしました。超級か否かを見極めるトリプルパンチの質問の仕方が重要であることを改めて実感しました。
次に、本研究会で研究費を助成しているOPI関連の3件の研究報告がありました(これらはすでに、韓国日語教育学会において口頭発表された内容を報告するものです)。OPIが様々な観点から研究の対照になることもおわかりいただけたと思います。
今後ともOPIに関する発表や勉強会(スタディ)を継続していきますので、ご興味のあるものがありましたらいつでもご参加ください。
 

(文責:小島/韓国OPI研究会会長)



Posted by J-OPI-K at 10:01│Comments(0)
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