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2018年01月27日

2017年第4回定例会報告書

日時:2017年12月9日(土)
  場所:大田(テジョン)市 培材(ペジェ)大学校
参加者:14名

<スケジュール>
14:00~ 挨拶、グループでの自己紹介
14:20~14:40 OPIデモンストレーション
14:40~15:10 判定、ディスカッション
15:10~15:30 休憩、ティータイム
15:30~17:00 研究発表
17:00~17:20 2018年度研究助成プロジェクト案内他、お知らせ

<定例会内容>
1. OPIデモンストレーション  司会:迫田亜希子   テスター:後藤歩先生
 全体の前で実際にOPIインタビューを行うデモンストレーションを行った。インタビューは後藤歩先生に行っていただき、被験者は韓国人日本語学習者(男性)にお願いした。

2. 判定、ディスカッション   司会:迫田亜希子
 4つのグループに分かれてディスカッションし、それぞれのグループで出た意見および判定を全体で共有した。

➣専門的な言葉や表現は多く見られていたものの、全体的に説明が不十分であった。
➣被験者の「おハコ」である話題が多く、被験者が話せなかったのか話さなかったのかを判断するのが難しかった。
➣レベルは中-上はクリアしていると見ることができるが、会話の質・抽象度が低かった。
➣被験者から、自分の苦手な話題になると、返答をはっきりせずに逃げてしまう(話題をそらす)傾向が見られ、細かい部分までレベルを測    ることが出来なかった。

3. 研究発表          司会:小島堅嗣先生
 (1)「どう・どんな質問による効果的な発話抽出の一考察-OPIテスター訓練生のインタビューデータをもとに-」持田祐美子先生(平沢大     学)・濱畑静香(皇学館大学)・永田由紀(高麗大学 博士課程)・永田沙織(国際交流基金ソウル文化センター 非常勤講師)
 「どう・どんな」のような指示範囲が広い疑問文に焦点を当て、OPIインタビューに現れた「どう・どんな」質問の使用実態を調査し、質問の使用例をもとに考察が行われた。インタビュー中に使用されていた質問の型および割合についてご説明いただき、それぞれの質問意図についてもカテゴリー別にご紹介いただいた。そしてこの質問意図が全体的に多く見られた項目や少なかった項目、また、被験者のレベルによってテスターからの出方が共通する項目もあれば異なっている項目もあり、興味深く伺った。また、質問に共起する事柄(質問項目)によって被験者の答え方が異なってくるため、テスターの聞き方に工夫が要されることが確認できた。インタビューでの質問項目の選択、質問の仕方によって、被験者の答え方が左右されるということを学ぶことができ、大変勉強になった。
   
 (2)「やりとり会話授業におけるピア・フィードバックの利点と問題点―学生へのアンケートとインタビュー結果から―」小林安那先生(釜山外    国語大学)・神谷英里先生(ハノイ国家大学外国語大学)
 会話授業の方法に対する学習者の意識に焦点を当てること、会話授業を分析・考察することを目的とし、韓国とベトナムの大学の日本語学科の学生に対し、会話の授業でCan-doを用いたペア・フィードバックの試みをされた。ご発表では、実際授業で使用されたCan-doのチェックシートや授業の流れなどをご紹介いただき、学習者の意見をもとに、この試みによって学習者の意識がどのように変化したのかについて、勉強することができた。特に、結果として否定的な意見よりも肯定的な意見を述べた学習者の方が多く、Can-doやペア・フィードバックが学習者にとって「話す」ことへの意欲につながり、積極的に話したり自律的な学習への姿勢が見られたという傾向について、大変興味深く伺った。また、定例会の参加者からは、是非自分の会話の授業に取り入れて実践してみたいという声も多く聞かれた。

(3)「OPIの複数テスターによる判定要因の分析-判定者間の信頼性の向上に向けての施策-」小島堅嗣先生(培材大学)・山中峰央先生    (培材大学)・後藤歩先生(ハンバット大学)
 定例会などにおけるOPIのレベル判定において、判定者間でのOPIのインタビューテープ(音声データ)のレベル判定の差が大きく、判定基準が統一されていないという問題から、どのような判定基準をもとに判定しているのかについて、複数の判定者でGRID(判定表)をもとに詳細な分析が行われた。被験者の話し方や敬語の使用、テキストタイプや発話の内容などの捉え方が判定者による判定の差異につながっていることが確認されており、興味深く伺った。また、実際のインタビューに見られたテスターの質問と被験者の答え方を確認しながら、調査での判定者間に生じた判定の差異および根拠をご説明いただいた後に、定例会の参加者からそれぞれの判定について質問や意見が出たり、グループ内でも判定結果や根拠に対する意見を自由に交わすことができ、大変勉強になった。

4. 2018年度の研究助成プロジェクトについて  司会:小島堅嗣先生
 2018年度の研究助成プロジェクトの募集に関する募集要項や募集時期などの日程を中心に説明が行われた。


※2018年度の研究助成プロジェクトについては、募集時期と募集の詳細を2018年2月初めまでに韓国OPI研究会 メーリングリストにてお知らせいたします。※


<文責 迫田亜希子>  


Posted by J-OPI-K at 09:25Comments(0)
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