2021年12月10日
2021年度 第4回 韓国OPI研究会 定例会報告
2021年度第4回 韓国OPI研究会 定例会報告
韓国OPI研究会では、今年最後の定例会を開催しました。
16名(被験者2名を含む)が参加されて、活発な議論が交わされました。
以下に詳細を報告致します。
◇日時 2021年11月27日(土)14:00~17:45
◇スケジュール
13:45~受付開始
14:00 開会のあいさつ(会長より)
14:05~14:35 (1)デモ1(テスター:後藤先生)
14:35~14:50 レベル判定とディスカッション
14:50~15:00 休憩
15:00~15:30 (2)デモ2(テスター:樋口先生)
15:30~16:00 レベル判定とディスカッション
16:34~16:44 休憩
16:44~17:40 (3)研究発表:倉持先生「ドイツの事情」
17:40~17:45 (4)運営スタッフ、会員からのお知らせ
(1)デモ1(テスター:後藤先生)
◆インタビューの話題
オンライン授業の内容について
↓
ユーチューブの動画作成について
↓
ユーチューブをやってよかった点
↓
学校でのデザインの課題について
↓
【中級ロールプレイ】
コスメの本を探すために店員に質問する
◆レベル判定と話し合い
4つのグループに分かれてレベル判定をしたところ
初級/中級の判定に分かれた。それぞれの意見を整理
する。
初級-上
・コミュニケーション上のブレイクダウンが見られた。
・文を作れていない。
中級-下/中
・やり方、順序、詳しい説明ができない。
・文末のアスペクトが使いこなせない。
・RPの質問はできていた。
この被験者は落ち着いて丁寧に話していたが、発話の
詳細を見ると文をきちんと作りだせていない部分が多く
見られた。そして全体的に「言いたいことはなんとなく
言えていたが、しっかりとした文の形では・・・?」という
点が初級と中級の判定が分かれてしまった原因であると考え
られる。
(2)デモ2(テスター:樋口先生)
◆インタビューの話題
休日にすること
↓
ソウルG区のデパートについて
↓
貿易の勉強について
↓
日本料理(たこやき、ラーメン等)について
↓
【中級ロールプレイ】
観光案内で担当者に3~4つ質問する
◆レベル判定と話し合い
4つのグループに分かれてレベル判定をしたところ
今回も初級/中級の判定に分かれた。それぞれの意見
を以下に整理する。
初級-上
・きちんとした文ができていない。
・韓国語や英語に頼っている。
・韓国語話者の特徴がわかっているテスターには理解
できるが、そうでないテスターには理解できない部分
がありそうだ。
・文法の正確さに欠ける(動詞て形など)、自己流である。
中級-下/中
・文の形で話せていた(少なくとも単語レベルではない)
・サバイバル(中級の条件)ができていた。
以上のようにメインレベルで判定の差異が生じてしまった。
また次の課題も提起された。
・ロールプレイができている/できていないという判断
を明確にするにはどうすればいいか
・突き上げがもっと必要
(3)研究発表:倉持先生「ドイツの事情」
◇ドイツの日本語教育事情
-日本語関連学科がある大学は、日本企業のある都市に
集中している
-ドイツの大学では学費が無料で出席もとらない
-学生たちにとって日本語は習得が難しい言語である
-学生の国籍はドイツ、トルコ、ベトナムなど多様
-以上の理由から、学年を追うごとに受講者が減少する
-一方で最後まで熱心に学習する学生も一定数存在する
-ドイツ各州で生涯学習センター(VHS)が充実しており、
様々な学習者に対応する科目を開設している
◇ドイツと韓国の日本語学習者の特徴
-韓国の学生は成績に敏感。また自分の考えをストレート
に表現しない。
-ドイツの学生は授業中に積極的に質問してくる。多文化・
多言語の環境に慣れているため、新しい外国語の学習に
抵抗感が少ない。
(4)運営スタッフ、会員からのお知らせ
・12月4日(土)の韓国日語教育学会にて、
11:10~11:40
会員の発表(小島堅嗣「異なる実施条件における日本語インタビュー
(OPI)における差異の検証-映像あり/なしの比較-」)
11:45~12:15
韓国OPI研究会企画ブース開設
・2022年度研究助成プロジェクトのお知らせ
「研究助成プロジェクト」は韓国OPI研究会の会員がOPIに関する研究に対して助成金を支給する制度です。
申請期間:2022年1月24日(月)~2月14日(月)24:00
採用発表:2022年2月28日(月)
助成金支給:2022年3月初旬
詳細は別途、メーリングリストにてご連絡いたします。
またお問い合わせについては小島(syaodao2002@yahoo.co.jp)にて
受け付けます。
今回もOPIのデモンストレーションや発表を通じて、活発な議論や意見交換ができて有意義な時間を持つことができました。
ご参加くださった皆様、ありがとうございました。
また、会員の皆様には今年(2021年度)も大変お世話になりました。
来年度(2022年度)に向けては、コロナで中断していたワークショップ開催を実施すること、そしてOPIに関する多様な企画も
実施すべく準備を進めているところです。来年度も変わりないご支援をどうぞよろしくお願いいたします。 (文責:小島)
韓国OPI研究会では、今年最後の定例会を開催しました。
16名(被験者2名を含む)が参加されて、活発な議論が交わされました。
以下に詳細を報告致します。
◇日時 2021年11月27日(土)14:00~17:45
◇スケジュール
13:45~受付開始
14:00 開会のあいさつ(会長より)
14:05~14:35 (1)デモ1(テスター:後藤先生)
14:35~14:50 レベル判定とディスカッション
14:50~15:00 休憩
15:00~15:30 (2)デモ2(テスター:樋口先生)
15:30~16:00 レベル判定とディスカッション
16:34~16:44 休憩
16:44~17:40 (3)研究発表:倉持先生「ドイツの事情」
17:40~17:45 (4)運営スタッフ、会員からのお知らせ
(1)デモ1(テスター:後藤先生)
◆インタビューの話題
オンライン授業の内容について
↓
ユーチューブの動画作成について
↓
ユーチューブをやってよかった点
↓
学校でのデザインの課題について
↓
【中級ロールプレイ】
コスメの本を探すために店員に質問する
◆レベル判定と話し合い
4つのグループに分かれてレベル判定をしたところ
初級/中級の判定に分かれた。それぞれの意見を整理
する。
初級-上
・コミュニケーション上のブレイクダウンが見られた。
・文を作れていない。
中級-下/中
・やり方、順序、詳しい説明ができない。
・文末のアスペクトが使いこなせない。
・RPの質問はできていた。
この被験者は落ち着いて丁寧に話していたが、発話の
詳細を見ると文をきちんと作りだせていない部分が多く
見られた。そして全体的に「言いたいことはなんとなく
言えていたが、しっかりとした文の形では・・・?」という
点が初級と中級の判定が分かれてしまった原因であると考え
られる。
(2)デモ2(テスター:樋口先生)
◆インタビューの話題
休日にすること
↓
ソウルG区のデパートについて
↓
貿易の勉強について
↓
日本料理(たこやき、ラーメン等)について
↓
【中級ロールプレイ】
観光案内で担当者に3~4つ質問する
◆レベル判定と話し合い
4つのグループに分かれてレベル判定をしたところ
今回も初級/中級の判定に分かれた。それぞれの意見
を以下に整理する。
初級-上
・きちんとした文ができていない。
・韓国語や英語に頼っている。
・韓国語話者の特徴がわかっているテスターには理解
できるが、そうでないテスターには理解できない部分
がありそうだ。
・文法の正確さに欠ける(動詞て形など)、自己流である。
中級-下/中
・文の形で話せていた(少なくとも単語レベルではない)
・サバイバル(中級の条件)ができていた。
以上のようにメインレベルで判定の差異が生じてしまった。
また次の課題も提起された。
・ロールプレイができている/できていないという判断
を明確にするにはどうすればいいか
・突き上げがもっと必要
(3)研究発表:倉持先生「ドイツの事情」
◇ドイツの日本語教育事情
-日本語関連学科がある大学は、日本企業のある都市に
集中している
-ドイツの大学では学費が無料で出席もとらない
-学生たちにとって日本語は習得が難しい言語である
-学生の国籍はドイツ、トルコ、ベトナムなど多様
-以上の理由から、学年を追うごとに受講者が減少する
-一方で最後まで熱心に学習する学生も一定数存在する
-ドイツ各州で生涯学習センター(VHS)が充実しており、
様々な学習者に対応する科目を開設している
◇ドイツと韓国の日本語学習者の特徴
-韓国の学生は成績に敏感。また自分の考えをストレート
に表現しない。
-ドイツの学生は授業中に積極的に質問してくる。多文化・
多言語の環境に慣れているため、新しい外国語の学習に
抵抗感が少ない。
(4)運営スタッフ、会員からのお知らせ
・12月4日(土)の韓国日語教育学会にて、
11:10~11:40
会員の発表(小島堅嗣「異なる実施条件における日本語インタビュー
(OPI)における差異の検証-映像あり/なしの比較-」)
11:45~12:15
韓国OPI研究会企画ブース開設
・2022年度研究助成プロジェクトのお知らせ
「研究助成プロジェクト」は韓国OPI研究会の会員がOPIに関する研究に対して助成金を支給する制度です。
申請期間:2022年1月24日(月)~2月14日(月)24:00
採用発表:2022年2月28日(月)
助成金支給:2022年3月初旬
詳細は別途、メーリングリストにてご連絡いたします。
またお問い合わせについては小島(syaodao2002@yahoo.co.jp)にて
受け付けます。
今回もOPIのデモンストレーションや発表を通じて、活発な議論や意見交換ができて有意義な時間を持つことができました。
ご参加くださった皆様、ありがとうございました。
また、会員の皆様には今年(2021年度)も大変お世話になりました。
来年度(2022年度)に向けては、コロナで中断していたワークショップ開催を実施すること、そしてOPIに関する多様な企画も
実施すべく準備を進めているところです。来年度も変わりないご支援をどうぞよろしくお願いいたします。 (文責:小島)
Posted by J-OPI-K at 12:03│Comments(0)