2022年10月05日
2022年度 第3回 定例会報告
2022年韓国OPI研究会 第3回定例会報告書
第3回定例会の内容について以下に報告いたします。
日程 :2022年10月1日(土)14:00~17:20(13:45受付開始)
実施方法:対面(崇実大学校조만식기념관12210教室)とオンライン(ZOOM)
参加者:11名(対面3名、オンライン8名)
内容:
14:00〜14:10 会長ご挨拶、年間スケジュールご案内(小島)
・定例会:本日第3回10月1日(土)、第4回は12月10日(土)(予定)
14:10〜14:35 OPIデモンストレーション
(テスター:孫朱彦先生、被験者:キム・ミヒョンさん)
【インタビューの流れ】
家族のこと→通訳の仕事の内容→子供と行くキャンプについて→
子供に作るお弁当→環境保護の方法について
14:35~15:00 3グループに分かれて議論(レベル判定、インタビューの仕方について)
15:00〜15:10 (休憩)
15:10〜15:40 各グループ発表
超級、上級-上、判定不能という3つの結果に分かれた。それぞれの判定の主な理由は以下の通り。
超級
・全体的に複段落で構成されていた。
・トリプルパンチ(超級の質問)に対応していた。
上級-上
・全体が複段落になっていない。話の展開が甘い(詳細ではない)。
・(被験者の化石化によるくせのため?)基本語彙ができていない部分が
あった。例)4時→よんじ、マスカット→マスケット
・超級の質問に対する答えがざっくりしていた。もっと具体的に応えて
もらうべき。
例)Q:環境保護のためにすべきことは何か?
A:国が対策をしなければならない。
判定不能
・レベルの下限が確かめられていない。上級が確実であることを確認する
ためには上級のロールプレイも必要だった。
・トリプルパンチが2回必要。
また、インタビューの仕方に関するコメントも挙げられた。
・ウォーミングアップの部分でもっと話題集めが必要だった。
・上級のタスク(比較等)をもっと行い、上級を固めるべき。
・質問の意図がわかりずらい表現があった。
→キャンプの飾り、弁当のデザイン
15:40〜16:10 OPI音声データ(テスター:今井先生、被験者:キム・ジユンさん)
【インタビューの流れ】
住んでいるところ→浦項の観光地について→仕事(塾の先生)について→
早期教育について→都会と田舎の違い→過疎化の対策→ロールプレイ:
友達がフェイスブックにあなたについての嘘の情報を載せていたので、
それを指摘した上で問題を解決してください。
16:10〜16:20 (休憩)
16:20~17:20 <参加者の判定とご意見>
上級(下位レベルの言及なし)
・上級のタスクはこなせていたが、超級のタスクはこなせていなかった。
例)早期教育についての考えが具体的でない。「望ましい」という語彙
が理解できなかった。
中級(下位レベルの言及なし)
・上級のロールプレイがこなせていなかった。
インタビューのやり方についての意見
・テスターと被験者が知り合いであることが推測される。テスター側から
被験者の情報が示されてしまう場面があった。
・韓国語の語彙について、日本語でしっかり説明してもらうべき。
例)ホミゴ(ポハンの観光地)、トクピョルシ(特別市)
・対になる(反対の)質問をしていた部分が良かった。
例)ポハンの良いところ/不便なところと、仕事でやりがいがあるところ
/やめたいと思ったこと
・被験者に理解しやすいように、内容かみくだいて丁寧に質問していた
ところがよかった。
<研究会としての判定結果(後藤、小島)>
レベル:上級-中
判定理由:・段落レベルで、コミュニカティブ・タスクをこなせた。
・言語的に難しい状況を処理できた(渋滞問題、教育問題)。
・上級レベルのパフォーマンスは最低限ではない。
→上級-下ではない。
・超級レベルの要素が少ない。→上級-上ではない。
17:20 終了
今回の定例会は、対面とオンラインの両方で開催しました(対面は3年ぶりとなります)。そしてLIVEでのデモンストレーションと録音データという、2本のOPIについてレベル判定と議論をしました。今回の2本はいずれもテスターを目指す15期生によるものでしたが、手順がきちんとしていて、インタビュー構成もしっかりできていました。今回得た課題をもとに練習を続けて、テスター資格取得までスムーズに進めるよう期待しています。
今回対面も実施してみて、やはり直接顔を合わせて話し合えることが本当に貴重なことだということを実感しました。一方でオンラインで実施することによって、地域や国を超えて集まれるということも重要なことだと再確認しました。今後の定例会についても、実施方式や内容をどのようにしたら私たちにとって有益なものになるかを模索していきたいと思います。会員の皆様のご意見をお待ちしています。
(文責:小島堅嗣/韓国OPI研究会会長)
第3回定例会の内容について以下に報告いたします。
日程 :2022年10月1日(土)14:00~17:20(13:45受付開始)
実施方法:対面(崇実大学校조만식기념관12210教室)とオンライン(ZOOM)
参加者:11名(対面3名、オンライン8名)
内容:
14:00〜14:10 会長ご挨拶、年間スケジュールご案内(小島)
・定例会:本日第3回10月1日(土)、第4回は12月10日(土)(予定)
14:10〜14:35 OPIデモンストレーション
(テスター:孫朱彦先生、被験者:キム・ミヒョンさん)
【インタビューの流れ】
家族のこと→通訳の仕事の内容→子供と行くキャンプについて→
子供に作るお弁当→環境保護の方法について
14:35~15:00 3グループに分かれて議論(レベル判定、インタビューの仕方について)
15:00〜15:10 (休憩)
15:10〜15:40 各グループ発表
超級、上級-上、判定不能という3つの結果に分かれた。それぞれの判定の主な理由は以下の通り。
超級
・全体的に複段落で構成されていた。
・トリプルパンチ(超級の質問)に対応していた。
上級-上
・全体が複段落になっていない。話の展開が甘い(詳細ではない)。
・(被験者の化石化によるくせのため?)基本語彙ができていない部分が
あった。例)4時→よんじ、マスカット→マスケット
・超級の質問に対する答えがざっくりしていた。もっと具体的に応えて
もらうべき。
例)Q:環境保護のためにすべきことは何か?
A:国が対策をしなければならない。
判定不能
・レベルの下限が確かめられていない。上級が確実であることを確認する
ためには上級のロールプレイも必要だった。
・トリプルパンチが2回必要。
また、インタビューの仕方に関するコメントも挙げられた。
・ウォーミングアップの部分でもっと話題集めが必要だった。
・上級のタスク(比較等)をもっと行い、上級を固めるべき。
・質問の意図がわかりずらい表現があった。
→キャンプの飾り、弁当のデザイン
15:40〜16:10 OPI音声データ(テスター:今井先生、被験者:キム・ジユンさん)
【インタビューの流れ】
住んでいるところ→浦項の観光地について→仕事(塾の先生)について→
早期教育について→都会と田舎の違い→過疎化の対策→ロールプレイ:
友達がフェイスブックにあなたについての嘘の情報を載せていたので、
それを指摘した上で問題を解決してください。
16:10〜16:20 (休憩)
16:20~17:20 <参加者の判定とご意見>
上級(下位レベルの言及なし)
・上級のタスクはこなせていたが、超級のタスクはこなせていなかった。
例)早期教育についての考えが具体的でない。「望ましい」という語彙
が理解できなかった。
中級(下位レベルの言及なし)
・上級のロールプレイがこなせていなかった。
インタビューのやり方についての意見
・テスターと被験者が知り合いであることが推測される。テスター側から
被験者の情報が示されてしまう場面があった。
・韓国語の語彙について、日本語でしっかり説明してもらうべき。
例)ホミゴ(ポハンの観光地)、トクピョルシ(特別市)
・対になる(反対の)質問をしていた部分が良かった。
例)ポハンの良いところ/不便なところと、仕事でやりがいがあるところ
/やめたいと思ったこと
・被験者に理解しやすいように、内容かみくだいて丁寧に質問していた
ところがよかった。
<研究会としての判定結果(後藤、小島)>
レベル:上級-中
判定理由:・段落レベルで、コミュニカティブ・タスクをこなせた。
・言語的に難しい状況を処理できた(渋滞問題、教育問題)。
・上級レベルのパフォーマンスは最低限ではない。
→上級-下ではない。
・超級レベルの要素が少ない。→上級-上ではない。
17:20 終了
今回の定例会は、対面とオンラインの両方で開催しました(対面は3年ぶりとなります)。そしてLIVEでのデモンストレーションと録音データという、2本のOPIについてレベル判定と議論をしました。今回の2本はいずれもテスターを目指す15期生によるものでしたが、手順がきちんとしていて、インタビュー構成もしっかりできていました。今回得た課題をもとに練習を続けて、テスター資格取得までスムーズに進めるよう期待しています。
今回対面も実施してみて、やはり直接顔を合わせて話し合えることが本当に貴重なことだということを実感しました。一方でオンラインで実施することによって、地域や国を超えて集まれるということも重要なことだと再確認しました。今後の定例会についても、実施方式や内容をどのようにしたら私たちにとって有益なものになるかを模索していきたいと思います。会員の皆様のご意見をお待ちしています。
(文責:小島堅嗣/韓国OPI研究会会長)
Posted by J-OPI-K at
07:05
│Comments(0)
2022年06月26日
2022年度 第2回定例会 報告
第2回定例会の内容について以下に報告いたします。
日程 :2022年6月11日(土)14:00~18:00(13:45受付開始)
実施方法:ZOOM
参加者:14名
内容:
14:00〜14:30
1)会長ご挨拶、年間スケジュールご案内【小島】
・定例会:第3回9月、第4回12月予定
・7月23日~7月26日:オンラインによるOPIワークショップ実施予定
・スタディ:金曜と土曜の午前中に隔週で実施中(ZOOMにて)
2)参加者の自己紹介
・本日の参加者全員に1人ずつ自己紹介(興味がある研究分野等を含む)して
いただきました
3)OPIの概要説明【小島】
・4つの主要レベルの判定ポイントを紹介しました。
14:30〜15:00 OPIの音声データを聞いて判定
(テスター:濵畑靜香先生、被験者:ドイツ人日本語学習者・男性・会社員)
【インタビューの流れ】
現在住んでいるところ→趣味のバスケットボール→日本に来たきっかけ→
日本の生活でびっくりしたこと→最近気になっているニュース(石油の価格
下落、エネルギー問題)→原発を今後どうすればよいか→子供の習い事→
日本の教育における問題点(どのような方向が望ましいか)
15:00〜15:10 (休憩)
15:10〜16:00 ◆レベル判定とグループでの話し合い→各グループ発表
3つのグループに分かれて話し合った結果、上級上(一部、
上級中と上級下)、超級という判定に分かれた。
各級の判定理由は以下の通り。
上級上
・トリプルパンチに対する対応が弱い部分あり。教育に関しては具体論
を述べるのにとどまっていた。
超級
・上級をしっかり固めた上で超級のタスクをこなしている点まで確認
できていた。
・フォーマルとインフォーマルのロールプレイ(注:現在は実施しない)
もしっかりこなせていた。
・語彙量が豊富であり、不正確な部分も言い直したりして、きちんと
話せていた。
インタビューに関するコメント
・トリプルパンチの仮説の質問で、世界におけるエネルギー政策の在り方
と、そのあとに言及した途上国と先進国それぞれの政策の在り方という
質問の流れがもっと明確であったらよかった。
・ドイツではエネルギー問題は一般的な話題であり、今回の被験者も苦に
していなかった。また子供がいる被験者にとって、教育問題も身近な
話題であったと言える。被験者にとって身近でない話題も扱ったほうが
よい。
◆音声データ提供者(濵畑先生)のコメント
判定:超級
根拠:1)ウォーミングアップは中級レベルから開始。
2)故郷についての説明、バスケットボールの説明は上級レベル。
3)ニュースの話題から出たエネルギー問題から超級レベルへの
質問(トリプルパンチ)につなげた。
三浦トレーナーからのコメント:
1)トリプルパンチでの教育関連(塾)の質問はもっと難易度を上げる
必要がある。
2)被験者の発言を繰り返したりまとめたりしないこと。
3)判定は超級でOK。
16:00~16:10 休憩
16:10~17:10 研究発表(本研究会の研究プロジェクト助成に採用された発表3件)
1)孫朱彦先生
「OPIテスターのインタビュー戦略-ポライトネス観点から-」
・BROWN&LEVINSON(1984)のポライトネス理論の観点から
OPIテスターのストラテジーを分析
・OPIテスターのストラテジーを中・上級被験者に分けて分析
2)迫田亜希子先生
「日本語学習者の授受補助動詞の引用としての使用について-OPIレベル別の特徴に着目して-」
・1)日本語学習者会話データベースを用い、韓国人日本語学習者
を対象に直接引用表現における授受表現「~テアゲル」「~テ
クダサイ」がどのように使用されるか。
・2)その使用傾向は、学習者のレベルにによってどのような違いが
見られるのか。以上の2点を探った。
3)小島堅嗣
「オンライン日本語会話試験における映像あり/なしの差異を探る-OPIデータの分析から-」
・OPIにおけるZOOMの映像ありと映像なし(音声のみ)の差異について
被験者へのインタビューから探った。
・映像あり/なしは個人(被験者)間で、得意・不得意がある。
・映像ありではジェスチャーの活用、映像なしでは緊張感の緩和、
集中力の持続等のメリットがある。
・一方で映像ありでは緊張感の持続、映像なしでは誤解による
コミュニケーションの齟齬が生じるリスクがある。
17:10~ 連絡事項や情報共有
・韓国日本語学会より、2023年度12月発行の学会誌においてOPI論文
特集をしたいとの打診あり。今後、準備を進めていきます【小島】
・メーリングリストを「らくらく連絡網」から「GOOGLE ML」に変更
(全体、WS14期、WS15期の3つのグループを作成・登録済。GOOGLE
MAILから投稿する場合、自身のメールには届かない点をご注意ください)
【後藤】
18:00 終了
今回は、7月下旬に開催されるワークショップ(トレーナー:三浦謙一先生)に先立ち、受講者に役立つ内容をということと、現在研究会で進行している研究をご紹介するという2本立ての内容で企画しました。 最初に、前回三浦トレーナーのワークショップを受講された濵畑先生がご提供してくださった音声データを聞いて議論をしました。超級か否かを見極めるトリプルパンチの質問の仕方が重要であることを改めて実感しました。
次に、本研究会で研究費を助成しているOPI関連の3件の研究報告がありました(これらはすでに、韓国日語教育学会において口頭発表された内容を報告するものです)。OPIが様々な観点から研究の対照になることもおわかりいただけたと思います。
今後ともOPIに関する発表や勉強会(スタディ)を継続していきますので、ご興味のあるものがありましたらいつでもご参加ください。
(文責:小島/韓国OPI研究会会長)
日程 :2022年6月11日(土)14:00~18:00(13:45受付開始)
実施方法:ZOOM
参加者:14名
内容:
14:00〜14:30
1)会長ご挨拶、年間スケジュールご案内【小島】
・定例会:第3回9月、第4回12月予定
・7月23日~7月26日:オンラインによるOPIワークショップ実施予定
・スタディ:金曜と土曜の午前中に隔週で実施中(ZOOMにて)
2)参加者の自己紹介
・本日の参加者全員に1人ずつ自己紹介(興味がある研究分野等を含む)して
いただきました
3)OPIの概要説明【小島】
・4つの主要レベルの判定ポイントを紹介しました。
14:30〜15:00 OPIの音声データを聞いて判定
(テスター:濵畑靜香先生、被験者:ドイツ人日本語学習者・男性・会社員)
【インタビューの流れ】
現在住んでいるところ→趣味のバスケットボール→日本に来たきっかけ→
日本の生活でびっくりしたこと→最近気になっているニュース(石油の価格
下落、エネルギー問題)→原発を今後どうすればよいか→子供の習い事→
日本の教育における問題点(どのような方向が望ましいか)
15:00〜15:10 (休憩)
15:10〜16:00 ◆レベル判定とグループでの話し合い→各グループ発表
3つのグループに分かれて話し合った結果、上級上(一部、
上級中と上級下)、超級という判定に分かれた。
各級の判定理由は以下の通り。
上級上
・トリプルパンチに対する対応が弱い部分あり。教育に関しては具体論
を述べるのにとどまっていた。
超級
・上級をしっかり固めた上で超級のタスクをこなしている点まで確認
できていた。
・フォーマルとインフォーマルのロールプレイ(注:現在は実施しない)
もしっかりこなせていた。
・語彙量が豊富であり、不正確な部分も言い直したりして、きちんと
話せていた。
インタビューに関するコメント
・トリプルパンチの仮説の質問で、世界におけるエネルギー政策の在り方
と、そのあとに言及した途上国と先進国それぞれの政策の在り方という
質問の流れがもっと明確であったらよかった。
・ドイツではエネルギー問題は一般的な話題であり、今回の被験者も苦に
していなかった。また子供がいる被験者にとって、教育問題も身近な
話題であったと言える。被験者にとって身近でない話題も扱ったほうが
よい。
◆音声データ提供者(濵畑先生)のコメント
判定:超級
根拠:1)ウォーミングアップは中級レベルから開始。
2)故郷についての説明、バスケットボールの説明は上級レベル。
3)ニュースの話題から出たエネルギー問題から超級レベルへの
質問(トリプルパンチ)につなげた。
三浦トレーナーからのコメント:
1)トリプルパンチでの教育関連(塾)の質問はもっと難易度を上げる
必要がある。
2)被験者の発言を繰り返したりまとめたりしないこと。
3)判定は超級でOK。
16:00~16:10 休憩
16:10~17:10 研究発表(本研究会の研究プロジェクト助成に採用された発表3件)
1)孫朱彦先生
「OPIテスターのインタビュー戦略-ポライトネス観点から-」
・BROWN&LEVINSON(1984)のポライトネス理論の観点から
OPIテスターのストラテジーを分析
・OPIテスターのストラテジーを中・上級被験者に分けて分析
2)迫田亜希子先生
「日本語学習者の授受補助動詞の引用としての使用について-OPIレベル別の特徴に着目して-」
・1)日本語学習者会話データベースを用い、韓国人日本語学習者
を対象に直接引用表現における授受表現「~テアゲル」「~テ
クダサイ」がどのように使用されるか。
・2)その使用傾向は、学習者のレベルにによってどのような違いが
見られるのか。以上の2点を探った。
3)小島堅嗣
「オンライン日本語会話試験における映像あり/なしの差異を探る-OPIデータの分析から-」
・OPIにおけるZOOMの映像ありと映像なし(音声のみ)の差異について
被験者へのインタビューから探った。
・映像あり/なしは個人(被験者)間で、得意・不得意がある。
・映像ありではジェスチャーの活用、映像なしでは緊張感の緩和、
集中力の持続等のメリットがある。
・一方で映像ありでは緊張感の持続、映像なしでは誤解による
コミュニケーションの齟齬が生じるリスクがある。
17:10~ 連絡事項や情報共有
・韓国日本語学会より、2023年度12月発行の学会誌においてOPI論文
特集をしたいとの打診あり。今後、準備を進めていきます【小島】
・メーリングリストを「らくらく連絡網」から「GOOGLE ML」に変更
(全体、WS14期、WS15期の3つのグループを作成・登録済。GOOGLE
MAILから投稿する場合、自身のメールには届かない点をご注意ください)
【後藤】
18:00 終了
今回は、7月下旬に開催されるワークショップ(トレーナー:三浦謙一先生)に先立ち、受講者に役立つ内容をということと、現在研究会で進行している研究をご紹介するという2本立ての内容で企画しました。 最初に、前回三浦トレーナーのワークショップを受講された濵畑先生がご提供してくださった音声データを聞いて議論をしました。超級か否かを見極めるトリプルパンチの質問の仕方が重要であることを改めて実感しました。
次に、本研究会で研究費を助成しているOPI関連の3件の研究報告がありました(これらはすでに、韓国日語教育学会において口頭発表された内容を報告するものです)。OPIが様々な観点から研究の対照になることもおわかりいただけたと思います。
今後ともOPIに関する発表や勉強会(スタディ)を継続していきますので、ご興味のあるものがありましたらいつでもご参加ください。
(文責:小島/韓国OPI研究会会長)
Posted by J-OPI-K at
10:01
│Comments(0)
2022年03月18日
2022年度 第1回 定例会報告
第1回定例会の内容について以下に報告いたします。
日程 :2022年3月12日(土)14:00~17:00(13:45受付開始)
実施方法:ZOOM
参加者:16名
内容:
14:00〜14:30 運営委員からの連絡事項
1)会長ご挨拶、年間スケジュールご案内【小島】
・定例会:第1回3月12日(土)、第2回6月、第3回9月、第4回12月予定
・学会 :4月23日(土)韓国日語教育学会の企画発表にて4名発表予定
・スタディ:金曜と土曜の午前中に隔週で実施中(ZOOMにて)
2)研究プロジェクト助成について【小島】
・以下3件の研究に対して助成金を補助(1件当たりW100,000)する件を報告し、参加者
全員のご承認をいただきました。
1)孫朱彦「OPIテスターのインタビュー戦略-ポライトネスの観点から-」
2)迫田亜希子「日本語学習者の授受補助動詞の引用としての使用について
-OPIレベル別の特徴に着目して-」
3)小島堅嗣「オンライン日本語会話試験における映像あり/なしの差異を探る
-OPIデータの分析から-」
3)会計報告、入会費・年会費について【後藤】
・2021年度会計報告→参加全員のご承認をいただきました。
・2022年度の入会費(W10,000)と年会費(W10,000)の振り込み口座ご案内
14:30〜15:00 OPIの音声データを聞いて判定
(テスター:後藤先生、被験者:韓国人学習者・男性・会社員)
【インタビューの流れ】
出身地と現在住んでいるところ→趣味のゴルフ→ゴルフを始めた理由、
ゴルフの難しいところ→スクリーンゴルフとフィールドゴルフの違い
→ポハンについて→クァメギ料理について→[ロールプレイ]バスの隣
に乗っている人が読んでいる本について質問する
15:00〜15:10 (休憩)
15:10〜16:10 ◆レベル判定とグループでの話し合い→各グループ発表
4つのグループに分かれて話し合った結果、中級下/中と初級上
という判定が出た。主な判定理由は以下の通り。
中級下/中
・文単位で話せていた(スクリーンゴルフの部分など)
・中級のロールプレイにおいて、質問ができていた
(ただしロールプレイで指示された内容ではなかった)
・話題によって出来のムラがあった(ゴルフの話はできていたが
地元の話ではスピードが落ち、あまりできていなかった)
初級上
・完全な文でできていない部分があった。また単語レベルでの答え
がテスターにとって理解できない部分もあった。
・韓国語混じりの語彙があった。
◆研究会としての判定結果を報告
判定:中級中
根拠:1)文の単位で答えることは維持していた。
2)段落の単位での順序立った叙述や比較は不十分だった。
3)発話量が多く受け身の姿勢ではない→中級下ではない。
4)「ほとんどの場合、上級レベルで機能」は達成できていない
→中級上ではない。
なお、インタビューを聞いて気づいた部分として以下の点が指摘された。
・ロールプレイの内容は、韓国語訳を使うなどして、被験者に明確に指示
すべき。オンラインでの実施が対面より難しくなると感じられる。
・被験者にとって自明の質問は答えにくいのではないか?(「どうして海が
有名ですか」等)
・インタビュアー(テスター)のあいづちが良かった
16:10〜 会員の皆様からの連絡事項や情報共有
・初参加の先生方に一言ずつご挨拶いただきました。
・金曜/土曜のスタディの日程を再度お知らせしました
(3月は3/19(土)と3/25(金)の午前10時30分からです)
17:00 終了
今回の定例会は、新規ご参加も含めて多くの方々に参加していただきました。そして、OPI音声を
聞いてのレベル判定についても、様々な意見が飛び交い活発な議論ができました。
今年は学会発表やワークショップなど重要な行事が続きますが、今回のように様々な議論を重ね
ながらOPIの理解を深めながら臨んでいきたいと思っています。
今後ともよろしくお願い致します。
(文責:小島/韓国OPI研究会会長)
日程 :2022年3月12日(土)14:00~17:00(13:45受付開始)
実施方法:ZOOM
参加者:16名
内容:
14:00〜14:30 運営委員からの連絡事項
1)会長ご挨拶、年間スケジュールご案内【小島】
・定例会:第1回3月12日(土)、第2回6月、第3回9月、第4回12月予定
・学会 :4月23日(土)韓国日語教育学会の企画発表にて4名発表予定
・スタディ:金曜と土曜の午前中に隔週で実施中(ZOOMにて)
2)研究プロジェクト助成について【小島】
・以下3件の研究に対して助成金を補助(1件当たりW100,000)する件を報告し、参加者
全員のご承認をいただきました。
1)孫朱彦「OPIテスターのインタビュー戦略-ポライトネスの観点から-」
2)迫田亜希子「日本語学習者の授受補助動詞の引用としての使用について
-OPIレベル別の特徴に着目して-」
3)小島堅嗣「オンライン日本語会話試験における映像あり/なしの差異を探る
-OPIデータの分析から-」
3)会計報告、入会費・年会費について【後藤】
・2021年度会計報告→参加全員のご承認をいただきました。
・2022年度の入会費(W10,000)と年会費(W10,000)の振り込み口座ご案内
14:30〜15:00 OPIの音声データを聞いて判定
(テスター:後藤先生、被験者:韓国人学習者・男性・会社員)
【インタビューの流れ】
出身地と現在住んでいるところ→趣味のゴルフ→ゴルフを始めた理由、
ゴルフの難しいところ→スクリーンゴルフとフィールドゴルフの違い
→ポハンについて→クァメギ料理について→[ロールプレイ]バスの隣
に乗っている人が読んでいる本について質問する
15:00〜15:10 (休憩)
15:10〜16:10 ◆レベル判定とグループでの話し合い→各グループ発表
4つのグループに分かれて話し合った結果、中級下/中と初級上
という判定が出た。主な判定理由は以下の通り。
中級下/中
・文単位で話せていた(スクリーンゴルフの部分など)
・中級のロールプレイにおいて、質問ができていた
(ただしロールプレイで指示された内容ではなかった)
・話題によって出来のムラがあった(ゴルフの話はできていたが
地元の話ではスピードが落ち、あまりできていなかった)
初級上
・完全な文でできていない部分があった。また単語レベルでの答え
がテスターにとって理解できない部分もあった。
・韓国語混じりの語彙があった。
◆研究会としての判定結果を報告
判定:中級中
根拠:1)文の単位で答えることは維持していた。
2)段落の単位での順序立った叙述や比較は不十分だった。
3)発話量が多く受け身の姿勢ではない→中級下ではない。
4)「ほとんどの場合、上級レベルで機能」は達成できていない
→中級上ではない。
なお、インタビューを聞いて気づいた部分として以下の点が指摘された。
・ロールプレイの内容は、韓国語訳を使うなどして、被験者に明確に指示
すべき。オンラインでの実施が対面より難しくなると感じられる。
・被験者にとって自明の質問は答えにくいのではないか?(「どうして海が
有名ですか」等)
・インタビュアー(テスター)のあいづちが良かった
16:10〜 会員の皆様からの連絡事項や情報共有
・初参加の先生方に一言ずつご挨拶いただきました。
・金曜/土曜のスタディの日程を再度お知らせしました
(3月は3/19(土)と3/25(金)の午前10時30分からです)
17:00 終了
今回の定例会は、新規ご参加も含めて多くの方々に参加していただきました。そして、OPI音声を
聞いてのレベル判定についても、様々な意見が飛び交い活発な議論ができました。
今年は学会発表やワークショップなど重要な行事が続きますが、今回のように様々な議論を重ね
ながらOPIの理解を深めながら臨んでいきたいと思っています。
今後ともよろしくお願い致します。
(文責:小島/韓国OPI研究会会長)
Posted by J-OPI-K at
08:26
│Comments(0)
2022年02月28日
2022年度第1回定例会のお知らせ
会員の皆様
新学期が近づいてきて、準備に忙しい毎日をお過ごしのことと
思います。韓国OPI研究会では、今年3年ぶりに開催されるワーク
ショップ、学会発表、その他の行事への準備を精力的に進めて
いるところです。
今回は本年度(2022年度)の最初の行事である、第1回の定例会を以下の
内容で開催しますのでお知らせいたします。
多くのご参加をお待ちしています。(知り合いの方を誘っていただいても
かまいません。非会員の方については、1回目の参加は無料です)
1.日時 2022年3月12日(土)午後2時~5時(終了予定)
韓国OPI研究会さんがあなたを予約されたZoomミーティングに招待しています。
トピック: 2022年度第1回 韓国OPI研究会 定例会
時間: 2022年3月12日 01:30 PM 大阪、札幌、東京
Zoomミーティングに参加する
https://us02web.zoom.us/j/6853551462?pwd=NXhSb0xGT0pESTRKK1lzRXhMVndCQT09
ミーティングID: 685 355 1462
パスコード: gpC8ap
2.内容 14:00~14:20 会長あいさつ、OPI概要説明
14:20~14:50 OPI音声データを聞く
14:50~15:30 判定のためのグループディスカッション
15:30~15:40 休憩
15:40~16:30 グループ別発表、判定結果確認
16:30~ 運営委員からのお知らせ
1)会計報告、入会費・年会費について(後藤先生)
2)研究プロジェクト承認について(小島)
3)2022年度ワークショップについて(小島)
17:00終了予定
新学期が近づいてきて、準備に忙しい毎日をお過ごしのことと
思います。韓国OPI研究会では、今年3年ぶりに開催されるワーク
ショップ、学会発表、その他の行事への準備を精力的に進めて
いるところです。
今回は本年度(2022年度)の最初の行事である、第1回の定例会を以下の
内容で開催しますのでお知らせいたします。
多くのご参加をお待ちしています。(知り合いの方を誘っていただいても
かまいません。非会員の方については、1回目の参加は無料です)
1.日時 2022年3月12日(土)午後2時~5時(終了予定)
韓国OPI研究会さんがあなたを予約されたZoomミーティングに招待しています。
トピック: 2022年度第1回 韓国OPI研究会 定例会
時間: 2022年3月12日 01:30 PM 大阪、札幌、東京
Zoomミーティングに参加する
https://us02web.zoom.us/j/6853551462?pwd=NXhSb0xGT0pESTRKK1lzRXhMVndCQT09
ミーティングID: 685 355 1462
パスコード: gpC8ap
2.内容 14:00~14:20 会長あいさつ、OPI概要説明
14:20~14:50 OPI音声データを聞く
14:50~15:30 判定のためのグループディスカッション
15:30~15:40 休憩
15:40~16:30 グループ別発表、判定結果確認
16:30~ 運営委員からのお知らせ
1)会計報告、入会費・年会費について(後藤先生)
2)研究プロジェクト承認について(小島)
3)2022年度ワークショップについて(小島)
17:00終了予定
Posted by J-OPI-K at
09:24
│Comments(1)
2021年12月10日
2021年度 第4回 韓国OPI研究会 定例会報告
2021年度第4回 韓国OPI研究会 定例会報告
韓国OPI研究会では、今年最後の定例会を開催しました。
16名(被験者2名を含む)が参加されて、活発な議論が交わされました。
以下に詳細を報告致します。
◇日時 2021年11月27日(土)14:00~17:45
◇スケジュール
13:45~受付開始
14:00 開会のあいさつ(会長より)
14:05~14:35 (1)デモ1(テスター:後藤先生)
14:35~14:50 レベル判定とディスカッション
14:50~15:00 休憩
15:00~15:30 (2)デモ2(テスター:樋口先生)
15:30~16:00 レベル判定とディスカッション
16:34~16:44 休憩
16:44~17:40 (3)研究発表:倉持先生「ドイツの事情」
17:40~17:45 (4)運営スタッフ、会員からのお知らせ
(1)デモ1(テスター:後藤先生)
◆インタビューの話題
オンライン授業の内容について
↓
ユーチューブの動画作成について
↓
ユーチューブをやってよかった点
↓
学校でのデザインの課題について
↓
【中級ロールプレイ】
コスメの本を探すために店員に質問する
◆レベル判定と話し合い
4つのグループに分かれてレベル判定をしたところ
初級/中級の判定に分かれた。それぞれの意見を整理
する。
初級-上
・コミュニケーション上のブレイクダウンが見られた。
・文を作れていない。
中級-下/中
・やり方、順序、詳しい説明ができない。
・文末のアスペクトが使いこなせない。
・RPの質問はできていた。
この被験者は落ち着いて丁寧に話していたが、発話の
詳細を見ると文をきちんと作りだせていない部分が多く
見られた。そして全体的に「言いたいことはなんとなく
言えていたが、しっかりとした文の形では・・・?」という
点が初級と中級の判定が分かれてしまった原因であると考え
られる。
(2)デモ2(テスター:樋口先生)
◆インタビューの話題
休日にすること
↓
ソウルG区のデパートについて
↓
貿易の勉強について
↓
日本料理(たこやき、ラーメン等)について
↓
【中級ロールプレイ】
観光案内で担当者に3~4つ質問する
◆レベル判定と話し合い
4つのグループに分かれてレベル判定をしたところ
今回も初級/中級の判定に分かれた。それぞれの意見
を以下に整理する。
初級-上
・きちんとした文ができていない。
・韓国語や英語に頼っている。
・韓国語話者の特徴がわかっているテスターには理解
できるが、そうでないテスターには理解できない部分
がありそうだ。
・文法の正確さに欠ける(動詞て形など)、自己流である。
中級-下/中
・文の形で話せていた(少なくとも単語レベルではない)
・サバイバル(中級の条件)ができていた。
以上のようにメインレベルで判定の差異が生じてしまった。
また次の課題も提起された。
・ロールプレイができている/できていないという判断
を明確にするにはどうすればいいか
・突き上げがもっと必要
(3)研究発表:倉持先生「ドイツの事情」
◇ドイツの日本語教育事情
-日本語関連学科がある大学は、日本企業のある都市に
集中している
-ドイツの大学では学費が無料で出席もとらない
-学生たちにとって日本語は習得が難しい言語である
-学生の国籍はドイツ、トルコ、ベトナムなど多様
-以上の理由から、学年を追うごとに受講者が減少する
-一方で最後まで熱心に学習する学生も一定数存在する
-ドイツ各州で生涯学習センター(VHS)が充実しており、
様々な学習者に対応する科目を開設している
◇ドイツと韓国の日本語学習者の特徴
-韓国の学生は成績に敏感。また自分の考えをストレート
に表現しない。
-ドイツの学生は授業中に積極的に質問してくる。多文化・
多言語の環境に慣れているため、新しい外国語の学習に
抵抗感が少ない。
(4)運営スタッフ、会員からのお知らせ
・12月4日(土)の韓国日語教育学会にて、
11:10~11:40
会員の発表(小島堅嗣「異なる実施条件における日本語インタビュー
(OPI)における差異の検証-映像あり/なしの比較-」)
11:45~12:15
韓国OPI研究会企画ブース開設
・2022年度研究助成プロジェクトのお知らせ
「研究助成プロジェクト」は韓国OPI研究会の会員がOPIに関する研究に対して助成金を支給する制度です。
申請期間:2022年1月24日(月)~2月14日(月)24:00
採用発表:2022年2月28日(月)
助成金支給:2022年3月初旬
詳細は別途、メーリングリストにてご連絡いたします。
またお問い合わせについては小島(syaodao2002@yahoo.co.jp)にて
受け付けます。
今回もOPIのデモンストレーションや発表を通じて、活発な議論や意見交換ができて有意義な時間を持つことができました。
ご参加くださった皆様、ありがとうございました。
また、会員の皆様には今年(2021年度)も大変お世話になりました。
来年度(2022年度)に向けては、コロナで中断していたワークショップ開催を実施すること、そしてOPIに関する多様な企画も
実施すべく準備を進めているところです。来年度も変わりないご支援をどうぞよろしくお願いいたします。 (文責:小島)
韓国OPI研究会では、今年最後の定例会を開催しました。
16名(被験者2名を含む)が参加されて、活発な議論が交わされました。
以下に詳細を報告致します。
◇日時 2021年11月27日(土)14:00~17:45
◇スケジュール
13:45~受付開始
14:00 開会のあいさつ(会長より)
14:05~14:35 (1)デモ1(テスター:後藤先生)
14:35~14:50 レベル判定とディスカッション
14:50~15:00 休憩
15:00~15:30 (2)デモ2(テスター:樋口先生)
15:30~16:00 レベル判定とディスカッション
16:34~16:44 休憩
16:44~17:40 (3)研究発表:倉持先生「ドイツの事情」
17:40~17:45 (4)運営スタッフ、会員からのお知らせ
(1)デモ1(テスター:後藤先生)
◆インタビューの話題
オンライン授業の内容について
↓
ユーチューブの動画作成について
↓
ユーチューブをやってよかった点
↓
学校でのデザインの課題について
↓
【中級ロールプレイ】
コスメの本を探すために店員に質問する
◆レベル判定と話し合い
4つのグループに分かれてレベル判定をしたところ
初級/中級の判定に分かれた。それぞれの意見を整理
する。
初級-上
・コミュニケーション上のブレイクダウンが見られた。
・文を作れていない。
中級-下/中
・やり方、順序、詳しい説明ができない。
・文末のアスペクトが使いこなせない。
・RPの質問はできていた。
この被験者は落ち着いて丁寧に話していたが、発話の
詳細を見ると文をきちんと作りだせていない部分が多く
見られた。そして全体的に「言いたいことはなんとなく
言えていたが、しっかりとした文の形では・・・?」という
点が初級と中級の判定が分かれてしまった原因であると考え
られる。
(2)デモ2(テスター:樋口先生)
◆インタビューの話題
休日にすること
↓
ソウルG区のデパートについて
↓
貿易の勉強について
↓
日本料理(たこやき、ラーメン等)について
↓
【中級ロールプレイ】
観光案内で担当者に3~4つ質問する
◆レベル判定と話し合い
4つのグループに分かれてレベル判定をしたところ
今回も初級/中級の判定に分かれた。それぞれの意見
を以下に整理する。
初級-上
・きちんとした文ができていない。
・韓国語や英語に頼っている。
・韓国語話者の特徴がわかっているテスターには理解
できるが、そうでないテスターには理解できない部分
がありそうだ。
・文法の正確さに欠ける(動詞て形など)、自己流である。
中級-下/中
・文の形で話せていた(少なくとも単語レベルではない)
・サバイバル(中級の条件)ができていた。
以上のようにメインレベルで判定の差異が生じてしまった。
また次の課題も提起された。
・ロールプレイができている/できていないという判断
を明確にするにはどうすればいいか
・突き上げがもっと必要
(3)研究発表:倉持先生「ドイツの事情」
◇ドイツの日本語教育事情
-日本語関連学科がある大学は、日本企業のある都市に
集中している
-ドイツの大学では学費が無料で出席もとらない
-学生たちにとって日本語は習得が難しい言語である
-学生の国籍はドイツ、トルコ、ベトナムなど多様
-以上の理由から、学年を追うごとに受講者が減少する
-一方で最後まで熱心に学習する学生も一定数存在する
-ドイツ各州で生涯学習センター(VHS)が充実しており、
様々な学習者に対応する科目を開設している
◇ドイツと韓国の日本語学習者の特徴
-韓国の学生は成績に敏感。また自分の考えをストレート
に表現しない。
-ドイツの学生は授業中に積極的に質問してくる。多文化・
多言語の環境に慣れているため、新しい外国語の学習に
抵抗感が少ない。
(4)運営スタッフ、会員からのお知らせ
・12月4日(土)の韓国日語教育学会にて、
11:10~11:40
会員の発表(小島堅嗣「異なる実施条件における日本語インタビュー
(OPI)における差異の検証-映像あり/なしの比較-」)
11:45~12:15
韓国OPI研究会企画ブース開設
・2022年度研究助成プロジェクトのお知らせ
「研究助成プロジェクト」は韓国OPI研究会の会員がOPIに関する研究に対して助成金を支給する制度です。
申請期間:2022年1月24日(月)~2月14日(月)24:00
採用発表:2022年2月28日(月)
助成金支給:2022年3月初旬
詳細は別途、メーリングリストにてご連絡いたします。
またお問い合わせについては小島(syaodao2002@yahoo.co.jp)にて
受け付けます。
今回もOPIのデモンストレーションや発表を通じて、活発な議論や意見交換ができて有意義な時間を持つことができました。
ご参加くださった皆様、ありがとうございました。
また、会員の皆様には今年(2021年度)も大変お世話になりました。
来年度(2022年度)に向けては、コロナで中断していたワークショップ開催を実施すること、そしてOPIに関する多様な企画も
実施すべく準備を進めているところです。来年度も変わりないご支援をどうぞよろしくお願いいたします。 (文責:小島)
Posted by J-OPI-K at
12:03
│Comments(0)